遺産分割の手段方法/弁護士法人アスタスク法律事務所(神戸)遺言・相続・遺産分割法律相談

遺産分割の手段方法についてです。

 

遺産分割の手段方法としては,①遺言による分割②協議による分割③調停による分割④審判による分割があります。

 

第1 遺言がある場合

 
被相続人は,遺言で分割の方法を定めることができます(あるいは,分割の方法を定めることを第三者に委託することができます)。
「分割の方法を定める」とは,例えば,「妻には自宅を,長男には田畑を,長女には山林を相続させる」というように,分割の具体的な方法を定めることです。
遺言により法定相続分と異なる相続分が指定された場合,遺産分割に際してはこ
の指定された割合が分割の基準となります。

 

→ 詳細は,「遺言書が見つかった場合」のページへ

 

 

第2 遺言がない場合

 

1 協議による分割
 

法律相談などを受けて,遺産分割協議の方向性(希望内容)を考えていただく。
→相続人間で話し合い(私どもが依頼を受けましたら,分割方法などについてのご希望をお聞きしたうえで,代理人として話し合いに参加します)

 
* 合意を形成するためには,相続人全員が一同に会して話し合う方法が一番実質的な協議ができますが,協議分割においては合意形成の手段も相続人の自由に任されていて,電話や手紙などの手段を使って協議を進めることもできますし,文書を作って持ち回る方法でも,あるいはその他の方法でもかまいません。
相続人が相互に住んでいる場所がばらばらで遠いなどという場合には,電話や手紙などの手段を使って協議を進めることが多いです。

 

→話し合いが成立

 
* 全員の意思の合致がある限り,分割の内容は相続人の自由に任されており,特定の相続人の取り分を0(なにも取得しない)とするような分割協議も有効です。

 

遺産分割協議書作成

 

* 遺産分割に関して相続人間で合意が成立した場合,協議の内容を証明するため,遺産分割協議書を作成しておくことが普通ですし,協議の蒸し返しを防ぐなどのために書面を作成しておくべきです。
遺産分割協議書には相続人全員が署名・押印しなければなりません。
相続人全員が集まって一度の機会に書面を作成,署名,押印をする方法でも,誰かが予め案を作り持ち回りで他の相続人がそれに署名・押印する方法のいずれでも,相続人全員が記載内容を承認して署名・押印すれば,遺産分割協議は成立します。

相続人全員が署名・押印した遺産分割協議書は,遺産分割の協議が成立したことの証明になります。遺産の中に不動産がある場合には,遺産分割協議書によって相続による取得登記ができます(ただし,そのためには相続人全員が協議書に「実印」で押印し,「印鑑証明」をそれぞれ添付しておかなければなりません)。
登記以外にも,被相続人名義の預金の名義書換や相続税の申告の関係などにも遺産分割協議書が必要とされます。

 

* 遺産分割協議書を作成する場合の注意事項

 


①誰がどの遺産を取得するのかを明記する

 


②現在判明していない相続財産が今後発見された場合,誰にどう配分するかについても決めておく

 


③住所の記載は,住民票や印鑑証明に記載されている住所を正確に記載する。
 

④押印は実印で行う。これは印鑑証明書と一体となって,合意が本人の意思に基づくことの証明になると同時に,不動産の登記で遺産分割協議書を使用する場合にはこうしておく必要があります。


⑤銀行や証券会社などによっては,自社専用の決められた様式の用紙に相続人全員の実印による押印を要求し,一般の遺産分割協議書では預金名義を特定の相続人名義に書き換えることを認めないところがあります。予め銀行などに確認し,必要であれば,協議書に対する押印と同時に,銀行などの専用用紙への押印も済ませられるようにする方がいいです。

⑥遺産分割協議書を作成する通数は,各相続人が1通ずつ所持できるよう,相続人の人数と同じ通数を作成するのがいいです。


⑦遺産分割協議書が1枚の用紙で足りずに複数になった場合,各用紙の間に全相続人の契印を忘れずにする必要があります。


⑧公正証書にしておけば,後で争いになる可能性を大幅に減ずることができるので,場合によっては公正証書の利用も考えてみる。

 

→登記(司法書士のご紹介もいたします)などして遺産分割終了 

 

* ひとたび遺産分割協議が有効に成立すると,協議で定めた内容が実行されない場合でも,遺産分割協議を解除することは認められていません。
ただし,相続人全員の合意により解除したうえ改めて分割協議を成立させることはできます。

 

2 調停による分割


相続人間で話し合いがつかない


家庭裁判所へ遺産分割調停申立
* 調停を申し立てる場合の家庭裁判所は,相手方の住所地を管轄する家庭裁判所(相手方が複数いて住所地が異なる場合は,そのうち住所地のうちどこでも),または,当事者が合意(全当事者による合意の書面が必要となります)で定める家庭裁判所です


* 申立に必要な書類

1 戸籍関係


①相続人全員の戸籍謄本(原本。現在戸籍については取得後3か月以内のもの)
②除籍謄本・改製原戸籍謄本(原本。被相続人が生まれてから死亡するに至るまでの間に在籍した全戸籍)
③相続人全員の戸籍の附票または住民票(原本。取得後3か月以内のもの)
④被相続人の住民票除票または戸籍附票(原本)

 

2 遺産関係

①不動産登記簿謄本または全部事項証明書(原本。取得後3か月以内のもの)
②固定資産評価証明書(原本。直近の年度のもの)
③住宅地図,公図の写しなど不動産の位置・形状などを示す書類
④建物の平面図
⑤借地借家に関する契約書
⑥預貯金の通帳の写しまたはその残高証明書
⑦株式,社債,投資信託などの内容を示す文書
⑧生命保険などの証券
⑨相続税申告書の写し

 

3 前提問題関係

①遺言書写し
②協議不成立に終わった遺産分割協議書の案

 

4 相続債務関係

①被相続人の金銭消費貸借契約書,担保設定契約書などの写し
②支払予定表の写し


5 その他

 


→家庭裁判所で話し合い(私どもが依頼を受けましたら,分割方法などについてのご希望をお聞きしたうえで,代理人として調停に出席します)


* 調停は話し合いですが,調停委員及び家事審判官(裁判官)が話し合いのあっせんをしてくれます。各種書類・陳述書などの必要資料も提出する必要があります。

 

→遺産分割調停成立(話し合いが成立)
→登記(司法書士のご紹介もいたします)などをして遺産分割終了

 

 

3 審判による分割

 

遺産分割調停でも話し合いがつかない


→家庭裁判所で遺産分割審判
* 審判手続においては,家庭裁判所の審判官(裁判官)が,各相続人の相続分に反しないよう分割方法を決めます。


→審判確定


→登記(司法書士のご紹介もいたします)などをして遺産分割終了

 

 

第3 遺言がない場合の分割の態様~遺産を相続人間でどのように分割するか

 

1 全部分割と一部分割

全部分割=遺産の全てにすいて分割を実施すること
一部分割=遺産中の一部の財産について分割し,残余の財産を未分割の状態のままに置くこと

 

相続人の中に生活困窮者がいて当面の生活費を工面する必要がある場合や,相続債務(被相続人に借入金などがある)があり分割協議に時間をかけていると利息や損害金が膨らみ早急に相続財産の一部を処分して支払ってしまうことが全相続人の利益となる場合,などには,一部分割は有用な方法となります。


しかし,一部分割は,「残余の遺産の分割の問題を残し,遺産分割問題の根本的解決にならないこと」「残余財産の分割の際に先に行った一部分割の内容をどのように反映させるべきか」という問題を生じることなどから,安易に一部分割をすることは控えることが望ましいです。
仮に,一部分割をするとしても,残余財産の分割が控えていることを十分に考慮し,分割協議書または調停調書に,一部分割である旨及びその一部分割が残余財産の分割に際してどのような影響があるか(あるいはないか)を明確に記載しておいたほうがいいでしょう。

 

2 現物分割,換価分割,代償分割


現物分割=例えば,「自宅は妻,この土地は長男,この株式は長女に,それぞれ取得させる」というように,遺産を構成する個々の財産をその形態を変えることなくそのまま相続人に配分すること,または,一筆の土地をいくつかに分筆して各相続人に取得させるように,通常の共有物分割のように個々の財産を分割すること,をいいます。

 

換価分割=遺産を処分してその対価(金銭)を相続人で分割する方法
現物分割が不可能な場合や,現物分割では著しく価値を損ずるような場合にとられることが多いです。
例えば,2筆の土地上にまたがって建物があり現物で分割するとすれば現物の価値を損なう場合などです。

 

代償分割=遺産の現物は相続人中の特定の1名または数人に取得させ,その取得者に,現物を取得しなかった他の相続人に対する債務を負担させる(金銭を支払わせるなど)分割方法。
例えば,「遺産が居住用の土地建物のみで,現にそこに相続人のうちのある者が生活しており,その者の生活関係の安定を考慮しなければならない場合」「農地・営業用資産など,細分化を避ける必要が高い場合」「会社経営の安定化のために会社の株式を特定の相続人(後継の経営者など)に帰属させたい場合」「換価しにくいなどの特殊性のある遺産の場合」などに,代償分割の方法がとられることが多いです。
代償分割では,金銭の分割払いなどの形をとることが多く,分割終了後にも,相続人間に長期にわたって関係が残る煩わしさや,支払をしない場合どうするか,などの問題が生じます。

 

3 共有とする方法

相続財産の全部または一部を,相続人中の数人ないし全員の共有とする分割方法です。
相続人がいくつかのグループに分かれて争っているが,各グループ内部では対立がなくまとまっているような場合に,この方法がとられることがあります。

 

4 その他の分割方法

遺産が不動産である場合に,相続人の1人にその所有権を取得させ,他の相続人にその不動産の対する賃借権を設定させるような分割方法も可能です。

 

 

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